ここ数年でスマートフォン(スマホ)が急激に普及したことや普段の生活習慣の変化により、首の湾曲(前弯)がなくなり首が真っ直ぐな状態になる『ストレートネック』の人が増えてきています。
それにより日本ではストレートネックのことをスマホの使い過ぎによって起こることから『スマホ首』などという表現をされる方もおられます。
またアメリカではパソコンやスマホ・タブレットなどのテキスト(文章)を見る際に画面を見下ろす姿勢によりこれら首の湾曲がなくなることから『テキストネット』とも呼ばれているようです。
正に生活習慣の変化によりこれらストレートネック(スマホ首)は現代病の一つに数えられるくらい増えてきています。
それでは最近増えてきているストレートネックになってしまうとどの様なデメリットがあるのでしょうか?
まず首の湾曲がなくなるストレートネックになってしまうと、慢性的な肩凝りや頭痛などの症状を頻繁に起こすようになります。
また、最悪の場合には首(頚椎)のヘルニアなどの症状になり、手や指先の痺れなどの症状が表れます。
普段から慢性的な肩こりや頭痛で悩まされているという方はストレートネックになっているかも知れませんので十分注意をするようにしましょうね。
またここでは自分がストレートネックかどうかをチェックする方法や、ストレートネックになってしまう原因や改善方法にについてお話させていただきます。
ストレートネックとは?首が真っ直ぐってダメなの?
人間の身体は本来横から見るとS字カーブを描いており首の骨(頸椎)は緩やかに前方に湾曲しています。
この湾曲があるおかげで重たい頭(体重の8%と言われていますので約5㎏前後)を首だけで支えることを可能にしています。
一般的に首の湾曲は横から見た際には30~40°ほどございますが、30°以下の場合にはストレートネックと診断されます。
また本来あるべき湾曲がなくなることで首の関節の可動域は極端に制限されてしまいます。
特に首を後ろに反らす様な仕草が非常にツラくなる傾向がございます。
首の可動域についてはその肩こりの原因「首」の可動域が減少していませんか?にて詳しく説明しています。
ストレートネック(スマホ首)は肩こりや頭痛の原因になる
最近増えてきているストレートネック(頸椎の湾曲が無くなる)などの症状になると、頭は前側に突き出している様な姿勢になり重たい頭を支えるために首の後ろ側の筋肉に負担がかかり肩こりや頭痛などの症状を引き起こしやすくなります。
首は本来前弯(前側に軽く曲がっている)しており、それで頭の前後のバランスを上手く取っています。
しかしストレートネックだと首が身体の中心から大きく前方に突き出す形となり、頭が前に倒れない様に首の後ろの筋肉群で必死に支えようとしています。
ですのでストレートネックの方は、常に首の後ろや肩の筋肉に負担がかかっているので肩こりや頭痛などになり易くなるのです。
図を見てみるとお分かりかと思いますが首(頸椎)に湾曲があると頭の重心が身体の真ん中にありますが、ストレートネックで湾曲が無くな頭が前に突き出した姿勢は横からみるとこの様な姿勢ですよね。
肩こりの原因を知れば肩こりは予防や改善は出来ますでもお話していますが、私たちの頭は非常に重く約4~6㎏(体重の約8%)ほどございます。
それほど重い頭を常に首で支えているのだから首の筋肉に疲労が溜まり肩こりになるのも納得できますよね。
また頭と首の付け根の筋肉周辺には神経が集中しており、この周辺の筋肉が緊張することで頭痛などにも引き起こしやすくなります。
ストレートネックになってしまうと筋肉をほぐすだけでは肩こりを改善出来ない
ストレートネックになってしまうといくらいくら筋肉をほぐしたとしてもまた直ぐに肩こりなどの症状がでてしまいます。
何度もお伝えしていますがストレートネックとは頭が前方に突き出した様な姿勢になるので、筋肉をほぐしてもまた直ぐに筋肉に負担がかかり肩こりなど引き起こします。
ですので先ずはストレートネックで慢性的に肩こりが酷いという方は、先ずは筋肉をほぐすことも大事ですが先ずは筋肉に負担をかけている首を正常な元の状態に戻さなくてはいけません。
ですのでよく我々の様な整体院などへ行っても直ぐに肩こりが気になるという方は、先ずはしっかりと首や肩周辺の筋肉が張る原因を取り除くことが大事になってくるのです。
因みにですが肩こりが酷過ぎると頭痛になる原因については慢性的に肩こりがひど過ぎると頭痛を引き起こしやすくなるをご覧ください
ストレートネックかどうかをセルフチャックする方法
壁に足の踵、お尻、背中と順に付けていき頭を壁に付けてみましょう。
この時、頭が壁に中々付かない様な方や、頭を壁に付ける事が出来るが何となく違和感を訴える様な方はストレートネックを疑ってみましょう。
また、頭を付けることが出来るが頭を付ける際にアゴが上がってしまい上を向くような方もストレートネック気味の傾向がございます。
ストレートネックに対する簡単エクササイズ
肩こりなどの原因になるストレートネックを飛ぼうするには、普段から首に対するストレッチなど大事です。
首のストレッチって面倒くさそうだと思う人も多いかと思いますが、ここでご案内しているストレートネック改善ストレッチは仕事の合間などのちょっとした時間に簡単に出来るストレッチをご紹介します。
首(頸椎)可動域を改善するストレッチ
首の湾曲を作る準備運動です。(関節の可動域を広げる運動)
ストレートネックの方は普段から頭が前に倒れている状態でいることが多いです※身体を横から見ると身体より首が前に出ていることが分かりやすいです。
ですので、首の前側の筋肉(喉周辺)が萎縮していることが多いのでそこをストレッチしていきます。
片手もしくは両手で軽く顎を下から持ち上げる感覚で後側に倒していきます。気持がよい所で1分間程キープしてみましょう。
そして今度は頭の後ろ側に手を持っていき頭を下に向ける様にします。この時は首の後ろ側がストレッチされているのが分かるかと思います。
また、もっと簡単なストレッチでは頭を前後に10回程度動かすだけでもストレッチになるので仕事中に座りながらでも出来るので小まめに首を動かすクセを付けましょう。
首の後側のストレッチ
首の後ろ側の筋肉のストレッチです。
この方法も簡単なので是非実践してみてください。
先ずは、首を前方に倒していきます。
丁度首全体で足元を見るような姿勢をします。
そしてどちらの手でも良いのですが手の平全体で首の付け根辺りの筋肉を上の方へ軽くスライドさせます。
この時にあまり力を入れず軽く筋肉を伸ばす感じ行ってください。
この筋肉をスライドさせる動きは筋膜と呼ばれる筋肉の層のストレッチになり筋膜は軽い力でも十分伸びるので力を入れないように行いましょう。
また、筋膜を伸ばす時間ですが個人差がありますが、約10秒~15秒ほど行うだけでも十分伸ばした部分が軽く感じられるかと思います。
毎日15分仰向けで寝るだけでストレートネックを改善
市販のストレートネックを改善する枕などを使い、毎日15分程度仰向けになり日中常に真っ直ぐな状態でいた頸椎を緩める事も大事です。
市販されているストレートネック改善枕を首の下に入れなるべく身体をリラックスさせ15分程度仰向けで寝るだけなので運動が苦手な人でも毎日出来る簡単エクササイズです。
当整体院ではストレッチポールの半円タイプのモノにてこの首のストレッチを行っています。
またこれら専用の枕などが無い方などはバスタオルを折りたたんで丸めると棒状の枕の形状になるので代用品として使えるかと思います。
そしてバスタオルでは若干軟すぎるという方はバスタオルの中に新聞紙を丸めて芯にするとある程度の硬さ作ることが出来ます。
寝るときに使う枕もストレートネック用を使いましょう
ストレートネックなどが原因で肩こりや頭痛などで悩まされている方は、一生懸命ストレッチなどをで首(頸椎)の関節の可動域を正常な状態へなるよう努力をされているかと思います。
しかし一生懸命ストレッチなどをし頸椎の可動域が良くなったとしても、普段寝るときに使っている枕が悪いとせっかくのストレッチの効果も期待できないかも知れません。
個人差もありますが皆さんは大抵6~9時間程度寝るかと思います。
しかし、こんなにも長い間寝ているのにも関わらず枕の形状が悪いとせっかくストレッチした首もまた元の状態へ戻ってしまします。
ですから、ストレートネックで悩まれている方は是非ともストレートネック用の枕を使うのをおすすめします。
寝やすい枕と睡眠の質を高めてくれる枕との違い
先程ストレートネックでお悩みの方はストレートネック用枕を使うように言いましたが、私自身もそうですが枕が変わると眠れないという方っていますよね。
また、肩こりなどが酷い方は色々と枕を買い替えている方などが非常に多いかと思いますが、なかなか自分に合った枕と出会えないですよね。
しかし、ストレートネックの方の場合には枕が合わないのではなくストレートネックだから枕に対し違和感を感じてしまう訳なんですよね。
なのでストレートネックだという方は、これらストレートネック用の枕に変えて自分の首の形状を変えてあげなければならないので使い始めは寝づらいかも知れませんが使い続ける様にしましょう。
使い続けているうちにストレートネックが徐々に改善されれば、やがてその枕も寝やすくなるかと思います。
また枕やマットレスなど寝具についてはコチラで詳しく説明させていただいております